主役は市民!和光の人の「やりたい」を一緒に実現したい/わぴあ夏まつり共催 パートナーズ・ワン株式会社 福士さんインタビュー Vol.2

執筆者 | 23年07月26日 | インタビュー

こちらは、和光市広沢複合施設「わぴあ」のnoteにて掲載されているインタビュー記事になります。

この夏、わぴあに出かけてみませんか?

2023年7月29日(土)に「わぴあ夏まつり2023」が開催されます。今回は、その企画運営責任者であるパートナーズ・ワン株式会社の福士さんにお伺いしました。

和光市は東京都心への交通アクセスが良く、他の地域へ通勤・通学する市民が少なくありません。地元で過ごす時間がなかなか取れない。そんな皆さんの中には、わぴあを知らない、訪れたことがないという方がいらっしゃるかもしれません。

わぴあでは、2021年12月のグランドオープン当初から様々なイベントが開催されています。夏まつりもその一つ。今年はどんなお祭りになるでしょうか。これまでのイベントや今後の予定を伺いました。

わぴあがオープンして1年半、これまでとこれから

ーーーーわぴあのグランドオープンから1年半が経ちました。これまで行ったイベントを教えてください。

オープン当初から継続しているイベントが、地域のママさんたちと行っている「わぴあmamaマルシェ」で年4回程度開催しています。その中でお子さんと一緒に楽しめるワークショップをやったり、フォトスペースを作って写真を撮ったり。地域の野菜を売ることもあります。何でもありですが、重要なのは、親子で楽しめるイベントをママさん自身が企画して実行し、やりたいことを具現化すること。

あとスピンオフ企画で「プチ子供服&絵本のリサイクル会」をほぼ毎月やっています。こちらは「もっとやって」「毎月やって」という声が多くて、200〜300人のお客様がいらっしゃって、会場が子供服だらけになります。

ーーーーマルシェとリサイクル会は別開催ですか?

そうです。マルシェを考えるメンバーが20人ぐらいいるんですが、月1回ほど打合せなどをやって、日程の合う人が参加するという感じです。出たり出なかったり、緩い感じでやっています。

ーーーー需要があるんですね。

はい。他には夏は「わぴあ夏まつり」、冬は「TAKIBI TERACO」をしました。児童センターの裏の広場は地面が土で火が使えるんです。午前は大人、午後は親子でたき火をしました。大人の部は初心者向けアウトドア講座です。火起こし用の器具を使って、火が起きやすいよう薪をナイフで処理して火をつける。飯ごうでご飯を炊く。親子の部は火起こし体験と焼きマシュマロ作りなどです。体験型で、親子や参加者同士で交流を楽しみました。

あと去年は台風で残念ながら中止になってしまいましたが、今年は「ウォーターサバゲー」をやろうと思っています。水鉄砲でやるサバイバルゲームです。8月上旬にやろうとしていて、近々告知を出そうと思っているところです。

ーーーー子どもの活動支援、子育て支援を重視している印象ですが、意識されていますか。

結果的に今のところそうなっていますが、子ども向けイベントだけをやろうとは思っていません。私は地域の人たちと一緒に賑わいを創出する、ということをやっていきたいのです。

今は私の方から「これをやりましょう」というところがありますが、「こんなことやってみたい」「こんなイベントがあれば行ってみたい」という希望を皆さん持っていると思うんです。そうした意見をできるだけ吸い上げて、一緒にやってくれる仲間を作って、地域の人たち自身で盛り上がっていく。そういうものを作り上げていきたいと考えています。

ーーーー子ども向け、親子向け以外で考えていることはありますか。

夏まつりの日は午前がマルシェで、夜が夏まつりなんですね。実は、西大和団地の自治会さんに「何か一緒にできませんかね」ってお話をしたら「マルシェに出店してみようかな」と言ってくださったのです。西大和団地は高齢の方が多いと思いますが、コラボして交流が生まれたり、「西大和団地と一緒ならこういうことができるかも」というのが出てくると、多世代交流イベントもだんだん育っていくんじゃないかと思います。その繋ぎ役というか、具現化するために一緒に考えていくのが私の役割だと思っています。

ーーーー点が面に広がっていくみたいでワクワクします。福士さんは地域の人たちの自発性を育もうとされている気がします。1年半やって和光の人たちの意識や取り組み方に変化とか、何か手応えを感じますか。

はい。普段やりとりが多いのはマルシェのメンバーですが、わぴあがオープンする2〜3ヶ月前から募集したんですね。一昨年の12月がオープンで、その12月にイベントをしようと思ったのです。

ーーーーオープン記念イベントですかね。

はい。オープンして間もない頃にやるなら、さらに前段階から打ち合わせをしなきゃいけない。最初は10月半ばで「マルシェをやりましょう。マルシェで何をやるか考えるのは皆さんです」って言ったら皆さんポカンとして。役割を与えられてお手伝いするんだと想像していた方が半分以上だったと思います。

実際やってみると、「こういうのがいいかしら、ああいうのがいいかしら」と話し合ってだんだん形になっていくのですが、最初は本当に受け身の方が多かったのです。1年半やると慣れてくるので、今はやりたいことをバンバン言うようになってきました。例えばワークショップをやるとしたら、材料や作り方を調べて「何月何日に実験して告知チラシ用の試作品をみんなで作ろうね」と自分たちでどんどん動く。

結局、外から来た人間が旗振ってやっても、いなくなったらその取り組みって消滅しちゃうじゃないですか。それは地域に根付いた賑わいじゃない。だから地域の人たちが自分たちでやりたいことをやれるようになっていくために、一緒に走り支えていく。そう意識しながらやっている中で、次第にいい傾向になってきていると感じています。夏まつりやマルシェに出てみたいという地域の団体さん、企業さんも少しずつ出てきて、これもいい傾向だと思っています。

ーーーー福士さんがいらっしゃらなくてもイベントや地域の賑わいが作れる、というのが理想ということですね。

その通りです。極端な話、わぴあが仮になくなっても、地域の人材が育っていけば、おのずと「こういうのをやってみよう」「こうしたら楽しいんじゃないか」という声が上がって賑わっていく。地域を自分たちで賑わす。そうなるように一緒にやれたらと思っています。

ーーーー地域の賑わい、雰囲気に変化は出ていますか。

リサイクル会がだんだん周知され始めているかなと思っていて、「自分たちでもやれる、やれるんじゃないか」という意識が徐々に地域の皆さんに根付き始めているところかな、と。でもまだまだです。もっとやっていこうと思っています。

わぴあ夏まつりを和光の恒例イベントに

ーーーー夏まつりについて伺います。去年の開催日時は日曜日の17〜20時でした。何か意図があったのでしょうか。

夏まつりはわぴあ全体のイベントなので、中央の「わいわい広場」を使ってやりたいと思いました。夏休み、真夏にやろうということになっていましたが、やっぱり夏の午後は暑い。だから夜にしました。

ーーーー熱中症の心配ですね。駅から結構歩くし、アクセスが良いとは言えないので、日曜の夜だと近隣住民がターゲットかと思いました。

正直、去年はコロナもありましたし、どれぐらいお客様が来るか読めなかったのです。もちろん近場の方々が多くいらっしゃるとある程度は想像していましたが、朝霞市の彩夏祭に人が流れるだろうとも考えました。

夏まつりはわぴあで一番大きなイベントになります。わぴあを知らない人が「わぴあで何かやるらしいから、ちょっと行ってみようか」と、わぴあを知るきっかけになればと思っていたんです。ですから、市内のいろんな所の方々に来ていただきたいという思いがありました。確かに駅から少し遠いので、自転車で来られる方が多いと思って広沢小学校の校庭を駐輪場にしました。

ーーーーそれはいいですね。去年は子どもと子育て世代向けの屋台やブースのメニューが多かったようです。夏休みで親子向けだろうとは思いますが、今年も同様の傾向ですか。

去年と今年で大きな違いがありまして。去年はわぴあのエリアだけでやったんですけど、嬉しいことに、本当にたくさんのお客様がいらっしゃって、わぴあだけでは狭いと感じたので、今年は和光市役所の前の「市民広場」も使わせて頂くことにしました。そこはグルメエリアにする予定です。キッチンカーが去年は4台だったんですけど、今年は10台以上来ることになっています。

ーーーー4台から10台以上!

わぴあには入りきらないので、市民広場をキッチンカーで囲んで料理やお酒を楽しめる場所にしようと思っています。あとまだ計画中ですが、「市民広場」のステージを光のアートで飾ろうと思っています。若い方々もキッチンカーを目当てに来ていただいて、お酒を飲みながら夏の夜を楽しんでいただきたい。とにかくいろんな方が楽しめるようにと思ってやっています。

ーーーーキッチンカーやステージパフォーマーさんは市内の方々ですか。

キッチンカーは和光市だけではありませんが、この近くでやっている方たちです。ステージに出演する団体さんも市内で活動する方ですね。

ーーーーキッチンカーやパフォーマーはどのように集めるんですか。

和光市役所や地域の方々に紹介していただいたり、あと「去年の夏まつりを見ました。私も出たいです」と申し込みいただいたりしました。練習の成果を発表する機会がないという方の発表の場になればいいかな、と。それもまた地域の人と一緒にこのエリアを作ることにつながると思っています。

ーーー去年の夏まつりが終わった後のホームページの情報発信では「浮き彫りになった課題を次回以降に」とありました。今回は何か変えましたか。

もちろんです。去年はそれぞれのブースに長い行列ができ、お客様へのご案内や誘導が足りなかったのが一番の課題でした。今回はブースの配置や人員体制などを工夫して対応します。

ーーーー大行列とは嬉しいことでもありますね。

時間をかけて並んだけど品切れになってしまった等というのは私たち主催者側の至らなかったところです。今年はそうならないようにしっかりとやれれば、と思っています。

ーーーーお客様は子ども連れが多かったですか。

そうですね、割合としてはやっぱり子ども連れが多かったと思います。

ーーーー去年やって良かったこと、今やっていて嬉しいと思ったことを教えてください。

去年は初回で結果が見えなかった中、まずはチャレンジできて良かったです。行列ができてしまい、お客様からご意見をいただいてしまいましたが、基本的には「楽しかった」「良かった」と言ってくださった方が多く、やって良かったなと思いました。

地域の方々もご存知の方がたくさんいらして、「去年、夏まつりすごかったらしいね」「去年行ったよ」と言ってくださって。「去年は見ているだけだったけど、今年は一緒にちょっとやってみようかな」という方もいらっしゃいます。うまくいったところもいかなかったところもありますが、去年の祭りを発端として流れがだんだんできてきたかな、と今、準備している中で感じています。いい流れになりつつあるので、それをしっかり育てられるように大事にしていきたいですね。

ーーーー逆に去年に苦労したこと、今、苦労していることはありますか。

昨年に苦労したことはたくさんあるのですが……。様々な関係団体等との協議、調整、申請といった手続きが必要です。「あれも必要、これも必要」と初めて見えてきたことが多く、様々な下準備が必要だったなという印象が残っています。今年は、去年よりはある程度スムーズにできている部分もありますが、とはいえ「市民広場」で新しい取り組みがあるので、初めての部分は苦労することも多いですね。

ーーーー和光ならではと感じるものはありますか。

まだわからない部分はありますが、マルシェのメンバーもそうですし、少ないながら地域企業さん、団体さんともやり取りさせていただいて、和光市にはやりたいことがある方がたくさんいらっしゃるなという印象は持っていますね。ただ機会や場がなくて、まだ発揮できていないという感じがします。

わぴあを一つの場と捉えていただき、賑わいのコアとして地域の皆さんが今後活かしていけるようになればと思っています。この事業は20年ぐらいありますので。

ーーーー20年契約と基本計画書にありました。

そう、20年契約です。PFI事業といいますが、こういう官民連携事業では20年というのは一般的なんですね。今は始まって10分の1にもならないよちよち歩きの状態ですけど、徐々に広がっていけばいいかなという思いでやっています。

ーーーー最後に、わぴあを知らない人に向けて、わぴあと今年の夏まつりについて一言お願いします。

本当にわぴあ夏まつりに1回足を運んでいただきたいですね。来てみて「来年も夏まつりに行こうか」って思っていただけると嬉しいです。あとわぴあという施設自体を知っていただければ、ご利用いただけるようになるかもしれませんし。

この夏まつりが定着して、「和光で夏のイベントといえばわぴあだよね」と言っていただけるようになったら素晴らしいなと思ってやっています。ぜひ来てください!

<編集後記>

筆者がわぴあの名前を知ったのは最近でした。地域の賑わいに何が必要か真剣に考え、取り組む福士さん。そんな方に支えられていると知り、ありがたく思いました。今年は夏まつりに行こうと思います。

福士さん、ありがとうございました。

(制作:和光市広沢エリアマネジメント広報部 市民記者:菅井奈津子)