市民・行政・民間事業者が、対等な立場で「みんなでつくる交流拠点」を育てていく。 国土交通省の官民連携まちなか再生推進事業を活用し、令和8年3月1日に「広沢地区未来ビジョン」を策定しました。
官民連携まちなか再生推進事業とは、官と民が対等なパートナーとして連携するための国の制度です。
支援の対象となる活動
- まちづくり活動の推進:ビジョンに基づいた社会実験やイベント、空間活用等の実践
- エリアビジョンの策定:地域の未来像を住民・事業者・行政が一緒に描く
- 推進体制の構築:官民連携の協議会やエリアプラットフォームの設立・運営

広沢地区を一緒につくる仲間たち。目指す姿に向けた実施体制
広沢地区未来ビジョンは、令和7年度 官民連携まちなか再生推進事業として、和光市広沢地区周辺まちなか再生推進検討会のメンバーと、まちづくり専門家の皆さまによる情報共有と意見交換を経て策定されました。
和光市広沢地区周辺まちなか再生推進検討会(構成団体・企業)
- 株式会社ティップネス
- パートナーズ・ワン株式会社
- 東京建物リゾート株式会社
- 和光市企画部資産戦略課
- 独立行政法人都市再生機構
- 公益財団法人和光市文化振興公社
- 社会福祉法人和光市社会福祉協議会
- 株式会社光英科学研究所
- 一般社団法人和光市広沢エリアマネジメント
専門家デザイン会議メンバー(まちづくり専門家)
- 東洋大学大学院経済学研究科 公民連携専攻 客員教授/合同会社RRP代表 矢部 智仁 氏
- 一般社団法人アーバンデザインセンター大宮 デザインコーディネーター 高橋 卓 氏
- 株式会社スクリプト 代表取締役 森田 圭一 氏

広沢エリアの歴史と変遷
和光市広沢地区は、戦前まで「広沢原」と呼ばれる原野でした。戦後は米軍キャンプ朝霞・ドレイクとして利用され、返還後の昭和40年(1965年)には日本住宅公団による西大和団地が造成されます。当時は抽選入居となるほど人気を集めた憧れの団地でした。昭和50年には広沢小学校が新設され、地域の教育環境が整備されます。平成5年(1993年)には市庁舎が広沢に移転新設され、市民文化センター「サンアゼリア」や市民広場とともに、市のシンボルエリアへと発展しました。そして令和3年(2021年)に「わぴあ」が開業し、広沢地区は新たなステージを迎えています。

広沢地区の現状と課題
広沢地区は現在、三つの構造的課題を抱えています。第一に、西大和団地では高齢化率が約40%に達し、新旧住民間の多世代交流が求められています。第二に、土地所有者が和光市とUR都市機構に限られるため、民間による自由な投資や開発が難しい特殊な構造です。第三に、地域の担い手不足により、新たな行動を起こす機会が限られています。
令和3年12月の「わぴあ」供用開始を契機に、和光市広沢エリアマネジメント・アライアンスが結成され、令和6年3月にはエリアビジョンを策定しました。しかし活動の広がりとともに、関係性の把握、引き継ぎ、関係者間での判断基準について改善できる課題が浮かび上がりました。
エリアビジョンと未来ビジョンの関係
広沢地区のまちづくりは、2つのビジョンで構成されています。
- エリアビジョン=めざすまちの姿 「笑顔があふれ 光り輝く 和光のまち」
- 未来ビジョン=その実現に向けた進め方 エリアビジョンを実現するための、市民活動の運営モデル(3原則と3つの成果目標)

広沢地区未来ビジョンでは、まちづくりの方向性として三つの柱を掲げています。一つ目は若い世代やその親世代へ積極的にアプローチすること。二つ目は【地域との交流による「仲間」をつくる】こと。年代や立場を超え「やりたいこと」を軸に関係性が育つよう、担い手の発掘・育成と、公・民・地域の連携による相乗効果を進めます。三つ目は【人が自然と集まる「場所」をつくる】こと。地区ならではの施設や広場を活かし、誰もが「ここにいていいんだ」と思える居場所を育てます。
さらに、まちづくり活動の3原則として「つながる(Connection)」「ひろがる(Expansion)」「うごきだす(Action)」を設定。地域への開かれ方、他主体との連携、小さな挑戦の許容という視点を共通の判断基準とし、点から面へと活動を広げていきます。

令和7年度の取組みと実証実験の成果
令和7年度は、9団体によるエリアプラットフォームを形成し、6つの調査と実証実験を実施しました。

①居住者アンケート
和光官舎・西大和団地の居住者(各n=125)を対象に実施。ポジティブ・ネガティブ、ソフト・ハードの4象限で特徴的な傾向を分析しました。
②来街者ヒアリング
令和7年7月〜11月、広沢地区内の主たる5地点とまちなかで計332名にヒアリング。「日常の延長で訪れる人が多いにも関わらず、その“日常を受け止める場”が不足しているエリア」という示唆が得られました。
③居心地の良さ検証「テラスひろさわ」
令和7年10〜11月、広沢複合施設・わいわい広場と市役所・市民広場で計8回実施しました。わいわい広場では大型ベンチでの滞留が顕著にみられ、平日の設置によってふらっと立ち寄れる公共空間の提供が歓迎されることが分かりました。市民広場では世代や立場をこえた滞留が確認され、平日の常設設置についても検討が可能な状況です。
④市民参画検証「ボタニックガーデンマルシェ」
令和7年10〜11月、西大和団地コンフォール4号棟集会所前と和光樹林公園で計4回実施し、平均来場者数は各225人/回・235人/回となりました。出店者は「収益型」と「交流・経験型」に大別され、タイプ別の企画設計が必要であること、また個人事業者向けに出店をサポートする仕組みやチームによる支援活動が求められることが明らかになりました。
⑤検証4拠点の回遊性分析
4拠点(わいわい広場/市民広場/コンフォール/樹林公園)の延べ来場者は1,430名。スタンプラリー参加94名、回遊性あり14件。拠点間を結ぶマルシェが賑わい創出に有効であることを示唆しました。
⑥プレイスゲーム
令和7年12月、西大和団地コンフォール3号棟集会所周辺、広沢原児童公園、和光市役所周辺の3ヶ所で、検討会メンバー・市民・事業者・専門家・事務局計14名が参加。公共空間の魅力を再発見し、コンフォール3号棟集会所周辺での自主イベント「ごちゃまぜ会」の発足につながりました。
令和8年度からの具体的取組み
広沢地区未来ビジョンに基づき、令和8年度からは以下の取組みを推進します。

1.わぴあを中心とした市民参画事業
エリマネ団体がハブとなり、わぴあを中心とした市民企画を伴走支援し、市民・地域団体・事業者との連携を促進します。
- R8.11:わこう〇〇まつり(仮称)
- R9.03:第4回和光こどもまつり

2.実証実験の継続
①市役所周辺(官公庁)エリア
公共スペースを活用した市民参画企画を推進。
R8.10:まちつくひろさわプロジェクト(官公庁エリア)

②団地・樹林エリア
西大和団地や和光樹林公園での連携を深めます。
R8.11:まちつくひろさわプロジェクト(団地・樹林エリア)

市民の皆様へ
広沢地区のまちづくりは、一人の「やりたい」から始まります。
「こんなことがあったらいいな」というあなたの声を、ぜひ聞かせてください。
- 「こんな場所があったらいいのに」
- 「こんなイベント、やってみたい」
- 「自分のスキルを地域で活かしてみたい」
小さなアイデアでも構いません。すでに動いている取り組みに参加する道も、新しく始める道もあります。
こんな方に参加していただきたいです
- 広沢エリアにお住まいの方/広沢エリアで働いている方
- 和光市内の他エリアにお住まいで、自分の住む地域にもヒントが欲しい方
- 子育て、食、健康、防災、多世代交流などのテーマに関心のある方
- 事業者・団体として地域と関わりたい方
官民連携まちづくりを検討中他市・事業者・行政・団体のみなさまへ
広沢地区の取り組みは、国土交通省「官民連携まちなか再生推進事業」のスキームを活用した、再現性のあるモデルとして整理されています。
エリアプラットフォームの立ち上げ方、多様な団体の合意形成の進め方、住民アンケートの設計、実証実験(テラスひろさわ、ボタニックガーデンマルシェ、プレイスゲーム)の運営、3原則を軸にした運営モデルまで ─ プロセスの一つひとつを記録しながら進めています。
こんなお問い合わせを受け付けています
・広沢地区の取り組み全体のご紹介・レクチャー
・現地視察・見学会のご案内
・エリアプラットフォーム運営に関するご相談
・官民連携まちづくりの事例としての取材・講演依頼
※視察・見学会は内容に応じて個別にご対応します。詳細はお問い合わせください。
運営:和光市広沢地区周辺まちなか再生推進検討会(令和8年6月より、広沢エリアマネジメント・アライアンスに統合予定)
事務局:一般社団法人 和光市広沢エリアマネジメント


