和光市保健センター 阿部 剛さん、梶原 絵里さん

執筆者 | 21年09月17日 | インタビュー

広沢複合施設整備・運営事業
和光市 保健福祉部 健康保険医療課 主幹 兼 保健センター所長 阿部 剛さん
和光市 保健福祉部 健康保険医療課 統括主査 梶原 絵里さん

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左側から阿部さん、梶原さん

—— 自己紹介、保健センターの紹介をお願いします。

(阿部さん)
 和光市保健センター所長の阿部 剛と申します。
 昨年4月に着任しましたが、昨年は保健センターの移転に係る業務と新型コロナウイルスワクチン接種の業務を同時に進めることになりましたので、非常にめまぐるしい1年でした。
 現在私は、新型コロナウイルスワクチン接種事業プロジェクトチームのチームリーダーを兼務しています。保健センターでは、市の保健衛生施策を担当していますが、具体的には市民の健康づくりや疾病予防、公衆衛生等の業務を行っています。

(梶原さん)
 和光市保健福祉部健康保険医療課(保健センター)統括主査の梶原 絵里と申します。
 新保健センターは、令和3年3月29日に広沢複合施設の南エリア内に新しく移転しました。旧保健センターは、昭和56年に竣工でしたので、築後約40年での移転となります。新保健センターは3階建てでエレベーターもあり、バリアフリー化されていて旧保健センターよりも使いやすくなっています。各階に待合ロビーがありゆったりしています。内装は白を基調とした明るいものとなっています。

室内

—— 保健センターでは具体的にどのような業務を行いますか?

(阿部さん、梶原さん)
 成人の健康診査や各種がん検診、骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、歯周疾患検診、健康相談、栄養相談、精神保健相談、わこう健康マイレージ、健康教育、予防接種(成人・小児)、感染症対策(現在は、新型コロナウイルス感染症の住民接種をメインで実施中)、健康増進計画(健康わこう21計画・食育推進計画、自殺対策計画、和光市ヘルスプラン)等に関する業務を行っています。

—— 南エリアが開業して半年ほど時間が経過しましたが、保健センターの今までの状況についてお教えください。

(阿部さん)
 保健センターを含む南エリアの3施設(保健センター、認定こども園、児童発達支援センター)は、開業前から運営に関する打合せを重ねており、何かあれば直接声を掛け合える関係ができています。3施設の協議により、行政機関である保健センターが南エリアの取りまとめ役を担うことになりました。今後「わぴあ」全体で動き出したときには、南エリアを代表して連絡や調整を行っていきたいと考えています。
 これまでの保健センターはかなり古い建物でしたので、新しい保健センターはバリアフリー化をはじめとして必要な機能がコンパクトにまとまっており、すべてが快適です。
 是非皆さんに利用していただきたいです。

(梶原さん)
 成人だけではなく、母子の乳幼児健診等の会場としても利用していただいていますので、施設内の動線は変わりましたが、順調に稼働しています。また、成人の集団健診も7月から実施しております。新型コロナ感染症対策として、入口での手指消毒や体温測定を実施し、健診実施中も換気をしながら、事業を実施しております。

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—— 複合施設「わぴあ」の中で、保健センターの位置づけ・役割・他施設との連携はどのようにお考えでしょうか?

(阿部さん)
 先にお話ししたように、南エリアだけでなく、「わぴあ」全体で唯一職員が常駐する行政機関ですので、民間事業者と行政の橋渡しを担っていきたいと思っています。「わぴあ」の構成施設を運営する事業者からはもちろん、「わぴあ」を訪れる方、利用される方から、健康づくり、医療、福祉に限らず、行政全般に対する声をたくさん寄せていただきたいので、保健センターは皆さんの声を集める”マイク”のような役割を担いたいと思っています。
 行政はよく「連携」ということばを使います。私の個人的な意見ですが、行政では安易に連携ということばが使われているように思います。ですが、連携にはレベルがあり、単に情報を共有するだけのものから、顔の見える関係性を創って定期性をもった打合せ等を行うことができるものまで様々です。「わぴあ」はこれらの連携を超えて、構成メンバーが一緒に考え、目的を成就させるために同じ方向をむいて汗を流すという公民連携の姿を実現していきたいと思っています。様々な主体が集まって何かを成し遂げる上で、これらは”基本”だと思っていますが、その”基本”を実践するのは非常に難しいです。だからこそやりがいがあると私は考えています。
 「わぴあ」に関わる皆さんとはこうした思いを共有して、お互いの想いに共感して一緒に汗を流していきたいと思います。汗をかいたらもちろん、おふろの王様に足を運びます!

(梶原さん)
 市直営である保健センターは、市民の皆様の健康増進を目的として事業を実施しています。健康になるための手段として、保健センターをぜひご活用ください。
 保健師や管理栄養士がいますので、健康相談やこころの相談、各種健診の受け方、予防接種等のご案内、ご相談にのっています。また、保健センターだけで実施できないこと、例えば、出張健康相談、健康測定会、健康食メニューの提供等、他施設と連携しながら実施することで市民サービスの向上に努めたいと思います。


—— 「わぴあ」は公民連携事業として運営されますが、保健センターとして民間企業に期待することは何でしょうか?

(阿部さん)
 行政としての保健センターを使い倒して欲しいです。私たち行政が民間企業からどのように見られているのか、思われているのかということを直接感じる機会というのは、実はあまりありません。ですから、「わぴあ」を構成する企業の皆様にはどんどん行政に対して注文を出して欲しいです。「役所じゃこれは無理かな…」というようなことでもぜひ聞かせてください。もちろん、行政ですので制度や予算の関係があるため、全ての注文に応えることはできません。ですが、そこが知恵の絞りどころといいますか、うまい役割分担みたいなことができれば突破口は開けると思っています。
 「カネはなくても夢はある」というか「手の届かない痒い所をお互いに掻きあう」というか、表現はともかく、期待というよりはお互いの価値を高め合うことができるような関係になりたいと私は考えています。

(梶原さん)
 休日対応も含めた事業展開の工夫、また継続して利用したいと思えるような心温まるサービスの提供、利用料金面の低額設定、健康志向を高める取り組み等、市民の方々の目線に立った事業展開をお願いしたいと思います。また、市民の声を直接聞くことができる仕組みを工夫して実施していただきたいと思います。さらに、事業を実施していく中で、事業評価や改善を図っていただきたいと思います。


—— 市民の方へメッセージをお願いします。

(阿部さん)
 市民一人ひとりの健康が地域全体の健康を作ります。「わぴあ」には健康とくらしを豊かにする仕掛けがあります。市民の皆さんに「わぴあ」に「いのち」を吹き込んでいただきたいと思っていますので、お気軽にいらしてください。お子さまからお年寄りまで、いのちの息吹が聞こえる「わぴあ」を皆さんと一緒に創っていきましょう!

(梶原さん)
 広沢複合施設として、新しく誕生する「わぴあ」には、魅力的で様々な施設があります。まずは、気軽に遊びに来て体験してください。自分に合った方法で、健康を高めるための手段を見つけてみてください。
 和光市民一人ひとりの皆様が健康でありますように、少しでもお力になれたらと思っております。
 皆様の健康づくりにぜひお役立てください!

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(聞き手:一般社団法人和光市広沢エリアマネジメント 代表理事 小松 裕介)